【あがり症】電話対応で緊張するのはなぜ?上手に電話対応する方法
「電話をかけようとすると緊張して動悸が激しくなる」
「電話対応中に声が震えてしまうことがある」

そういったお悩みを抱える方がいらっしゃいます。
あがり症の方にも、電話対応が不安で過剰に緊張してしまう人もいらっしゃいます。

この記事では、電話対応で緊張してしまう理由と、上手に電話対応を行う方法をご紹介します。
お仕事中に、電話対応をスムーズに行えるようになりたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。

  • 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
  • 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
  • 全国で年間2000回セミナーを開催
  • 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
  • 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版

1.電話対応で緊張してしまう理由

1.電話対応で緊張してしまう理由

あがり症でお悩みの方には、電話対応が苦手という人も多いです。
特に電話を受信するときは「相手は誰なのか」「何を言われるのか」「どんな内容なのか」といった心構えができないため、苦手意識を感じる方が多いようです。

他にも、以下のような不安を感じるといった声をいただだきます。

  • 電話中に声が震えてしまったらどうしよう
  • 相手の言葉が聞き取れなかったらどうしよう
  • 挙動不審になって周りから変な目で見られたらどうしよう

この項目では「電話対応で緊張してしまう理由」について解説していきます。

1-1.電話対応中に周りの視線が気になる

「間違ったことを言ったらどうしよう…」「周りに緊張が伝わってしまうかも…」といった不安な気持ちが膨らむと、大きな緊張につながります。

具体的には、以下のような点に不安を感じる方が多いようです。

【電話対応中にうまく受け答えができるか不安】

  • 電話対応の経験が少ないため
  • 「うまくいった」と感じることが少ないため
  • 過去の失敗経験により自信を失ってしまったため

【電話対応中の自分の声がおかしくないか不安】

  • 緊張で声が震えることがあるため
  • 「吃音(きつおん)」に悩んでいるため

【電話対応中の自分の様子が不自然ではないか不安】

  • 「緊張している」と周りに気づかれたくないため
  • 挙動不審だと思われたくないため

このように周りに「聞かれている」と意識すると、自分の緊張に意識が向いてしまい不安を助長させます。
その結果「電話対応が嫌いになる」といった負のループに陥ってしまいます。

1-2.相手の表情が見えないため

電話対応では、相手の表情を捉えることが困難です。
対面であれば、たとえ口調が強めでも、表情を見て「怒っていない」と判断することができます。
しかし、電話の場合は相手の表情が見えません。

仮に電話のやり取りで、相手の声が低く感じた場合、「何かまずいことを言ったかな…」「今のお願いで不機嫌にさせしまったかも…」と考えてしまうことがあります。
相手の状況をさっすることは大事なことではありますが、過剰に意識しすぎると上手く話せなくなります。
電話では、声色だけで相手の心の状態を判断することが困難なため、どうしても相手が怒っているように感じてしまうことがあるのです。

1-3.準備ができず失敗してしまう恐れがあるため

準備とは、電話を受けるときの心構えです。
電話を受ける場合、予めかかってきそうな内容を想定することもできますが、想定外の内容がかかってくることもあります。
事前に把握できない場合は「どのように受け答えをするか」の準備ができません。

事前に準備ができないことで「うまく受け答えできなかったらどうしよう」「相手の言っていることが聞き取れなかったらどうしよう」といった不安がふくらみやすくなります。

また準備ができないにもかかわらず、その場で返答を求められるケースがあることも電話の特徴の一つです。
返答しづらい場合も、臨機応変に回答をしなければならないため苦手意識を持つ方が多いのです。

その他、あがり症の原因についての詳細は「あがり症を克服する3つの考え方!状態を引き起こす原因とは?」をご覧ください。

2.上手に電話対応を行う方法

2.上手に電話対応を行う方法

電話対応時に緊張すると、交感神経が優位になり、自分の体が「身を守らなきゃ」という体制に入ります。
その結果、声の震えや発汗、赤面などの状態が引き起こされます。

このような状態を防ぎ、上手に電話対応を行うには以下4つの方法が有効です。

  • 電話対応の準備を行う
  • 姿勢を正して応対する
  • ゆっくり復唱する
  • 電話にしぐさを取り入れる

1つずつ具体的に解説していきます。

2-1.電話対応の準備を行う

あがり症の対策として、いつ電話対応を受けてもよい状態を作っておきましょう。
メモやペンを出しやすい引き出しにしまっておくか、机の上にセットしておきましょう。
電話対応で使うフレーズを箇条書きでまとめておくこともよいでしょう。
また、発信する場合は伝えるべきことをメモにまとめておくと安心です。

  • お電話ありがとうございます、〇〇(会社名)の△△(自分の名前)でございます。
  • 恐れ入りますが、お名前を頂戴してもよろしいでしょうか?
  • 申し訳ございません、□□(担当者名)はただいま席を外しております。
  • よろしければ、ご用件をお伺いいたします。

このようなフレーズをメモにまとめておくことで、頭の中が混乱せず、スムーズに電話応対ができます。

その他、あがり症対策に有効な事前準備については「あがり症の失敗談を3つご紹介!失敗する前にできる対処法とは?」をご覧ください。

2-2.姿勢を正して応対する

あがり症の方に多く見られる「声の震え」は、姿勢を整えることで改善される場合があります。
姿勢を整えると、お腹が引き伸ばされ、お腹から声が出やすくなります。
このとき少しお腹(丹田)に力を入れると、よりしっかりと息が吐けるようになります。

息を吐くことで、副交感神経が優位になり、リラックスすることができます。
お腹からしっかり息を吐くことで、呼吸の循環がよくなり声帯が正常に機能します。
これにより「声の震え」を改善させることができます。

特にデスクワークの場合、背中が丸まり、前かがみになることが多いので、姿勢が乱れやすくなります。
声の震えを感じたときは、まず姿勢を整え、落ち着いて呼吸ができるようにしていきましょう。
その他、声のお悩みとして吃音症が挙げられます。
吃音症にお悩みの方は「あがり症と吃音の関係とは?落ち着いて話すための対処法」をご覧ください。

2-3.ゆっくり復唱する

電話対応時には、相手の話をゆっくり復唱することも効果的です。
相手の話を理解できなかったときは、焦らず相手の発言をそのまま復唱してみましょう。
実際に声に出してみることで、頭の中が整理でき、電話先の相手と認識を合わせることができます。

電話対応において話す文章を極力短くすることも大切です。

(悪い例)いつもお世話になっております。こちらのシステムがたいへん使いにくいとのことでご迷惑をおかけしておりますが、具体的にはどのようなことでお困りか教えていただいてもよろしいでしょうか?

(良い例)いつもお世話になっております。こちらのシステムについてですね。この度はご迷惑をおかけしております。具体的にお伺いしてもよろしいでしょうか?

話す文章を短く区切ることで、息継ぎできるタイミングが増えます。
そうすると、呼吸が整い、声が震えづらくなります。
また会話に間を持たせることで、相手が話し出すタイミングとバッティングすることがなくなることもメリットといえます。

2-4.電話にしぐさを取り入れる

電話の際に、しぐさを取り入れることも有効です。
緊張時は交感神経が優位になり、体の筋肉が固まります。
ずっと座っているときほど体に力が入り、緊張しやすい状態になります。

電話対応のときは、少し体を動かすようなしぐさを取り入れると、体もほぐれリラックス効果が得られます。

具体的には、以下のようなしぐさがおすすめです。

  • 直接の対面時と同じようにおじぎをしてあいさつする
  • メモを取って手を動かす
  • ハンドジェスチャーも取り入れる
  • 笑顔など表情を加える

直接会ったときは、おじぎをしたり、ハンドジェスチャーを加えて表現したり、笑うなどの表情を加えるたりすることがあると思います。電話でも同ようにしぐさを取り入れることで、固まった体を動かし、緊張を解いていきます。

3.まとめ

緊張時は交感神経が優位になり、体の筋肉が硬直することで赤面や発汗、声の震えなどが出やすい状態に陥ります。
電話対応をうまく行うためには、落ち着いた状態を保つための対策が欠かせません。
伝えるべき内容や電話対応によくあるフレーズをメモにまとめるほか、姿勢を正し呼吸の循環を整えることが大切です。

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