あがり症と吃音の関係とは?落ち着いて話すための対処法

吃音の症状により、困ったことや悩んだ方もいらっしゃるかもしれません。

過去の出来事がトラウマとなり、あがり症につながってしまうこともあるようです。
また日常生活では吃音が出なくても、特定の場面で吃音の症状が出てしまい、悩む方もいらっしゃいます。

吃音の症状を和らげながら、上手に話せるようになるためには、どのような対処法があるのでしょうか?
吃音とあがり症との関係を紐解きながら解説していきます。

はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。

  • 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
  • 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
  • 全国で年間2000回セミナーを開催
  • 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
  • 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版

1. 吃音で起こることが多い症状

1. 吃音で起こることが多い症状
吃音とは発話障害の1つであり、言葉を円滑に話すことが難しい、言葉が出にくくなることを指します。
症状には連発性・伸発性・難発性の3つがあり、最初の音や特定の言葉がスムーズに発音できないことが特徴です。

1-1. 連発性

「こ、こ、こ、こんにちは」などのように、同じ音を繰り返すのが連発性です。
連発性の場合、言葉を繰り返すタイミングが早く、最初の音で詰まってしまいます。

吃音が発症し始めた時によく見られ、最初は自覚がないことも多いようです。

1-2. 伸発性

「こーーー、んにちは」などのように、最初の音を引き伸ばすのが伸発性です。
最初の音から次の音へ移るタイミングが遅く、最初の音が引き伸ばされます。

吃音が出始めたころに見られ、長期間続く場合もあります。

1-3. 難発性

「ーーーーこんにちは」
「ーーーーこ!んにちは」

このように、最初の音が出ず無声状態になることや最初の音が大きくなる特徴があります。
連発や伸発から難発へと進むこともあり、吃音症の成人の方には難発で悩んでいる方も多くいらっしゃいます。

2.吃音が原因であがり症になることがある

言葉を覚え始めた幼少期に発生することもあるため、言葉に詰まる方がすべてあがり症というわけではありません。

しかし、吃音が原因であがり症になった方もいらっしゃいます。
吃音の症状が出ることで、会話や通話時に「はっきりと話して伝えなければならない」「電話はジェスチャーで伝わらないから言葉だけで伝えなければならない」などプレッシャーがかかり、その結果あがり症になってしまうようです。

吃音の種類には、幼少期に発症する「発達性吃音」と、発症時期が遅い「獲得性吃音」の2種類があります。

2-1. 発達性吃音

発達性吃音は2~7歳ごろに発症することが多く、幼児が2語以上の複雑な発話を開始する時期に起きやすいといわれています。

体質的要因や発達的要因、環境要因などがお互いに影響して発症すると考えられているほか、体質的要因の占める割合が8割程度あるとの意見もありますが、正確な原因はまだわかっていません。

なお、幼児期ではなく小学校以降に発症することもあるようです。

教科書の音読や掛け算九九の口唱などにおいて、「発話ができない」「他の言葉に言い換えられない」など、日常生活において困難を抱えることもあります。

2-2. 獲得性吃音

獲得性吃音は、事故や病気による神経学的疾患や脳の損傷、ストレス、トラウマ体験により発症するとされています。

分類は、神経学的疾患や脳損傷などによって発症する「獲得性神経原性吃音」、心的なストレスや外傷体験に続いて生じる「獲得性心因性吃音」に分けられます。

獲得性神経原性吃音が発症する原因は、脳や神経の病気、頭部のけが、薬物の使用などです。
事故で頭をけがした方や、血糖値や血圧地が高い方が発症しやすいといわれています。

獲得性心因性吃音の原因は、ストレスやトラウマ体験などです。
災害で事故に遭った方や虐待を受けた方、ハラスメントを受けた方など、トラウマ体験がある方に発症しやすいといわれています。

例えば、「授業で教科書を音読した際に失敗した」「話し方に関してひどい指摘を受けた」などです。
このような過去の失敗が原因となり、大勢の前で話す場面では吃音の症状が出ることがあります。

どちらも発症時期は10代後半の青年期以降であることが多い点が特徴です。
幼児期に発症して以降続いているものは発達性吃音ですが、青年期以降に発症したものは獲得性吃音となります。

なお、精神的ストレスなどが関与しているとされる「心因性発声障害」は、音声治療や心理療法などにより症状の緩和が可能であるといわれています。

3. 吃音の症状を和らげて話すための対処法

3. 吃音の症状を和らげて話すための対処法
吃音で悩む方の中には、普段の生活でお困りの方も多いです。
ここからは、普段の会話での改善方法を解説します。

3-1. 詰まりやすい言葉の発声トレーニング

ア行カ行サ行タ行など、特定の言葉が詰まりやすい行を発見し、トレーニングしていきます。
例えば「おはようございます」「お疲れ様です」など、ア行で始まる場合、その言葉を集中的にトレーニングすると、その後の会話を続けやすくなります。
最初は「お」が出てこず「はようございます」になっても構いません。とにかく自然に息を流すよう声を出してみましょう。

詰まりやすい言葉をトレーニングする際は、音声を録音する方法や動画を撮る方法もおすすめです。
トレーニング前後を比較することにより、傾向や成果がわかりやすくなります。以前よりもすらすらと話せるようになっていると自覚できれば自信にもつながります。

3-2. 姿勢を改善して息の流れをスムーズに

吃音でお悩みの方の中には、姿勢が悪いことで息の流れが悪くなり、うまく発声できないケースも見られます。
この場合は、姿勢の改善がおすすめです。

猫背になっている方は、姿勢を真っすぐにして、肩甲骨を引き寄せ、胸を開くようにします。
ラジオ体操の「深呼吸」の運動のように、一度腕を上げて胸を張り、その後腕を下げた姿勢を維持するよう意識すると、真っすぐに正しい姿勢で立てます。

3-3. 発声速度をコントロール

言葉の詰まりを緩和するには、発声トレーニングも効果的です。

本や歌の歌詞を題材に、言葉に出して読んでます。
最初はゆっくりと発音し、少しずつ発声速度を調節しましょう。
スマートフォンの録音や録画機能を使えば、確認しながら1人でもトレーニングできます。

発声トレーニングにより、自分の話しやすいスピードがわかるほか、発声のタイミングをつかめるようになります。
自分が話しやすい発声速度が理解できたら、「ゆっくり話すようにする」など調節することを意識してみてください。

4. まとめ

吃音の症状と原因を解説し、吃音の症状を和らげて話すための対処法をご紹介しました。

吃音には、主に発達性吃音と獲得性吃音の2種類があります。
発達性吃音は幼児期に発症するケースが多く、獲得性吃音は青年期以降に発症することが多い傾向にあります。

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