あがり症による緊張や不安を抑えたいとお悩みの方には、気持ちを落ち着かせる成分を含む食べ物がおすすめです。
成分によっては体内で生成されないものもあるため、その場合は身近な食材やサプリメントから取り入れるとよいでしょう。
「気持ちを落ち着かせるにはどんな食べ物を食べればいいの?」
「どれだけ摂取したらいいの?」
このようにお悩みの方のために、おすすめの食べ物、および成分の摂取時における注意点について解説します。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
Contents
1. セロトニンとは?
セロトニンは脳内の神経伝達物質の1つです。
ドーパミンやノルアドレナリンなどの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあることから「幸せホルモン」としても知られています。
セロトニンが低下すると、攻撃的になる・不安・うつなどの精神症状を引き起こすといわれており、あがり症の方はセロトニンが不足している傾向にあることも判明しているようです。
またセロトニンは、必須アミノ酸の1種であるトリプトファンから合成されます。
トリプトファンは体内では生成されないため、食事やサプリメントからの摂取が必要です。
摂取したトリプトファンは日中に脳内でセロトニンに変化します。
食材によって含有量は異なりますが、主に肉類や魚介類に含まれるほか、豆類や乳製品などにも多く含まれています。
2. 【あがり症でお悩みなら】セロトニンの分泌促進を手助けする食べ物
緊張や不安を和らげてくれるセロトニンを分泌させるために必要なトリプトファンを含む食べ物をご紹介します。
トリプトファンを多く含む食べ物は、肉類や魚介類、豆類のほか乳製品などです。
食材により異なる含有量を把握しつつ、自身の好みに合わせて上手に食事に取り入れましょう。
フランスの食品衛生安全庁によれば、サプリメントで摂取する場合の限度量は220mg/日とのことです。
しかしこれはあくまでサプリメントのみで摂取する場合における限度量であり、食品から摂取する場合は、およそ体重1kgあたり2mg程度が望ましいとされています。
(例)体重が60kgの方の場合は120mg
ただしトリプトファンの含有量が多い食材を食べても、食品に含まれる栄養素を体がすべて吸収するとは限りません。
あくまで目安として、日ごろの食事へ取り入れる食材の参考にしてください。
また「短時間で3,000~6,000mg を摂取すると無気力・吐き気・頭痛などの副作用が見られた」との報告もあるため、一度に同じ食材を大量に食べるのではなく、毎食に分けてバランスよく摂取しましょう。
さらに炭水化物は、トリプトファンの吸収と合成を促進し、ビタミンB6やセロトニンの生成に欠かせない大切な栄養素です。
トリプトファンを含む食材を食べるときは、炭水化物も一緒に摂取するとよいでしょう。
参考:食品安全委員会「フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、サプリメントにトリプトファンを1 ,000 mgまで使用することについて意見書を提出」
2-1. 肉類や魚介類
肉類や魚介類には、特に多くのトリプトファンが含まれています。
食事に取り入れるなら、鶏むね肉の皮(82mg/100g)を細かく切ってサラダに混ぜたり酢につけて食べたりすると良いでしょう。
また食欲があるならば、豚ロース(19mg/100g)を白米(82mg/100g)と一緒に食べると、空腹が満たせるうえちょうどよい量のトリプトファンが摂取できます。
魚介類ではしじみ(98mg/100g)がおすすめなので、お吸い物にしていただきましょう。
2-2. 豆類
豆類にもトリプトファンが多く含まれています。
例えば安全に摂取できる量を含んでいる食材には豆乳(53mg/100g)や木綿豆腐(98mg/100g)などがあり、ドリンクやお味噌汁に入れて食べる方法がおすすめです。
特に、朝食や昼食に取り入れやすいでしょう。
2-3. 乳製品
乳製品の中にも、トリプトファンが豊富に含まれています。
安全に摂取できるおすすめの食材は牛乳(41mg/100g)や無脂肪無糖ヨーグルト(59mg/100g)などがあります。
これらの食材には体を形作るたんぱく質や、心身のバランスを保つ役割を持つミネラルも含まれているため、朝食に取り入れると良いでしょう。
またお腹を下しやすい方は、ホットミルクにするなど温めて食べたり飲んだりすることをおすすめします。
3. 日常生活でセロトニンの分泌を促す方法は?
セロトニンは日光浴でも分泌されますが、そのほかにも運動や感情の動き・睡眠・食べ物によって分泌を促進することができます。
あまり外出しない人は太陽の光を浴びる機会が少ないため、日光浴以外の方法でセロトニンを分泌させる方法がおすすめです。
3-1. 一定のリズムで運動する
運動とセロトニンの関係性は、まだ不明な部分が多いです。
しかし、過去に被験者に対して「リズム性運動」を行ってもらった後に計測した結果、セロトニン神経の活性化を示唆する反応が見られました。
リズム性運動とは、咀嚼・座禅の呼吸法・太極拳・読経・ヨガの呼吸法・フラダンス・サルサダンスなどの一定のリズムが生じる運動のことです。
今回の実験では、一定時間自転車のペダルをこぐ「ペダリング運動」が実施されました。
ペダルに一定の負荷をかけつつ、被験者に15分間60回転のペダリングを行ってもらい、終了直後・終了30分後・終了1時間後に採血と採尿によりセロトニンレベルを測定しました。
結果としてセロトニンレベルは運動後に優位に増大し、運動前と比べて緊張・不安・混乱が優位に減少し、活気が増加する傾向になることがわかりました。
参考:聖和大学麓正樹「リズム性運動とセロトニン神経:ペダリング運動の影響」
3-2. 涙を流す
涙を流すことでセロトニンが増えるともいわれています。
涙を流すと交感神経から副交感神経に切り替わりますが、切り替え時にセロトニンを分泌する神経が活性化され、セロトニンが増加するという仕組みです。
したがって、涙を流してセロトニンの分泌を促すには、映画やテレビなどを見て感動する方法がおすすめです。
参考:東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部「幸せホルモン セロトニン」
3-3. 規則正しい生活を送る
昼夜逆転生活などで睡眠不足となり日中の活動が低下すると、セロトニンが減少します。
セロトニンは睡眠を促すメラトニンへの材料にもなりますが、セロトニンが減少するとメラトニン不足でよく眠れなくなります。
したがって、規則正しい生活を送ることはセロトニンの分泌を促すことに繋がるといえるでしょう。
4. まとめ
あがり症の方におすすめしたい、セロトニンの分泌を促す「トリプトファン」を多く含む食べ物をご紹介したほか、日常生活でセロトニンの分泌を促す方法を解説しました。
セロトニンの分泌を促すには、トリプトファンを含む食材を食べるほか、ビタミンB6および栄養の吸収を助けてくれる炭水化物が必要なため、栄養バランスの取れた食事が大切です。
また不規則な生活を正すことや適度な運動も、セロトニンの分泌には必要です。
運動不足や昼夜逆転の生活を送っている方は、一定のリズムでの運動や日中に活動して夜間に十分な睡眠をとるなど、健康的で規則正しい生活を送りましょう。
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