人とのコミュニケーションが重要視される中、「会話が苦手…」「人と話すと緊張する…」など、あがり症で悩む方は多くいらっしゃいます。
あがり症の克服には、食事、運動、睡眠をベースにした規則正しい生活がとても重要です。
この記事では、あがり症がもたらす状態と原因、克服方法などについてご紹介します。
あがり症を克服したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
1. あがり症とは?
あがり症とは、人前で行動する際に人目が気になって強い不安感や恐怖感を感じたり、他人に注目されることで「悪い評価をされるかも…」と恐れ、顔面のほてり、発汗、動悸、嘔気や胸痛等などの身体症状が誘発される状態を言います。
状態が重くなるにつれ、人との関わり合いを避け、外に出られず学校・職場へ行くことが困難になるケースもあります。
状態が慢性化し、日常生活に支障をきたす場合は、専門医による治療が必要な場合もあります。
2. あがり症の原因とは?
あがり症の原因の一つとして考えられていることに「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」という3つの脳内物質のバランスが崩れることが挙げられます。
ドーパミン:「うれしい」「楽しい」などの前向きな感情をもたらす脳内物質
ノルアドレナリン:血圧の上昇を促し、恐怖・怒りによる緊張やストレスを落ち着かせる脳内物質
セロトニン:ドーパミンとノルアドレナリンをコントロールし、気持ちを安定させる脳内物質
3種類の脳内物質のバランスが崩れることで、あがり症の状態が引き起こされると考えられています。
あがり症の脳内メカニズムについては【あがり症の症状を引き起こす脳内のメカニズムとは? 】をご覧ください。
3. あがり症の克服につながる生活習慣とは?
仕事や人間関係のストレスで、暴飲暴食を繰り返したり、運動をする元気がなかったり、良質な睡眠が取れなかったりすることはありませんか?
ぜひ生活習慣を見直して、3つの脳内物質のバランスを安定させ、自律神経を整えましょう。
3-1. 食事
空腹時は我慢せず、栄養があるものを食べてましょう。偏食や過度なダイエットも禁物です。
栄養には、体を形作る5大栄養素(たんぱく質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラル)があります。
それに加えて、5大栄養素の働きを助ける抗酸化物質(ポリフェノール・カロテノイドなど)を積極的にとるとよいでしょう。
5大栄要素は、それぞれ以下のような食べ物に含まれています。
- たんぱく質:肉・魚・卵・豆腐・チーズ
- 脂質:肉や魚の脂身・ナッツ・食用油脂
- 糖質:ご飯・パン・うどん・じゃがいも・バナナ
- ビタミン:ブロッコリー・人参・キャベツ・みかん・リンゴ
- ミネラル:牛乳・わかめ・きのこ・しじみ
抗酸化物質であるポリフェノールをとるなら、紅茶やウーロン茶(タンニン)、大豆(イソフラボン)、ごま(セサミノール)などがよいでしょう。
また、カロテノイドは緑黄色野菜や果物(βカロテン・リコピン)、サケやマス、エビ、カニなどの魚介類(アスタキサンチン)に含まれます。生の状態だと体に吸収されにくいβカロテンとリコピンは、油分と一緒にとることで吸収率を上げられます。
食事のときはよく噛んでゆっくり食べることセロトニンの分泌が促進されます。
ほかにも、脳内物質セロトニンの分泌促進につながる「トリプトファン」を含む食べ物がおすすめです。
トリプトファンは肉類や魚介類、乳製品、大豆などに多く含まれます。トリプトファンの含有量を把握しながら、食事に取り入れましょう。
食品から摂取する場合「体重1kgあたり2mg程度」が望ましいとされており、朝なら木綿豆腐やシジミが入ったお味噌汁を、お昼や夜には鶏むね肉の皮を細かく刻んで入れたサラダなどを取り入れることがおすすめです。
トリプトファンをとる際は、炭水化物と一緒に摂取することで吸収と合成を促進し、ビタミンB6やセロトニンの生成を助けます。
セロトニンの生成を助ける食べ物の詳細は【あがり症でお悩みの方へおすすめしたい「セロトニン」の生成を助ける食べ物 】をご覧ください。
3-2. 運動
あがり症の克服には、適度な運動も不可欠です。
マラソンなどのハードな運動じゃなくても、軽度な運動でも「ドーパミン」が分泌され、前向きな感情を十分に高めてくれます。
軽度な運動とは、ウォーキング・ストレッチ・ヨガなどです。
始めるためのハードルが低く日常生活に取り入れられる内容がおすすめです。
あがり症に効果的な運動の詳細は「あがり症の克服につながるおすすめの運動とは?」をご覧ください。
もし行う場合は、寝る前は興奮状態におちいり寝つきが悪くなるため、早朝かお昼時に行うとよいでしょう。
3-3. 睡眠
良質な睡眠を長時間取ることも、あがり症の克服に欠かせません。
食事は睡眠の2時間前までに済ませましょう。食べてすぐに寝ると胃の活動にエネルギーが注がれるため、よい睡眠になりにくいです。
またスマホやパソコンは脳内が興奮状態におちいるため、寝る前は控えましょう。
入浴は38度のぬるま湯や、半身浴の方が良質な睡眠への効果が得られます。
眠る約2~3時間前に済ませておくと、一時的に体温が上がって体内で温度変化が起こり、眠りへと入りやすくなります。リラックスした状態に入ることで「副交感神経」が優位になり、眠りへと入りやすくなります。
良質な睡眠は「ノルアドレナリン」の分泌を適度な量まで抑制してくれるため、ストレスのコントロールにつながるでしょう。
4. まとめ
あがり症の状態と原因、克服するための生活習慣について解説しました。
あがり症を克服するためには、規則正しい生活が欠かせません。
あがり症の改善につながる脳内物質セロトニンの分泌を促すには、5大栄養素を意識した食生活が大切です。
さらに活性化物質やトリプトファンが含まれる食材を適度に取り入れることで、セロトニンの分泌促進につなげられます。
食生活とあわせて適度な運動や良質な睡眠を取ることも重要です。
まずできることから生活に取り入れ、ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンの分泌バランスを整えていきましょう。
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