あがり症の方が滑舌をよくする3つの方法!手軽にできるトレーニングもご紹介

人前で話すと緊張して噛んでしまい、思うように伝えられない…。
そんな理由から「滑舌をよくする方法を知りたい」と感じているあがり症の方は多いでしょう。

滑舌を改善するには、まず「なぜ滑舌が悪くなるのか」原因を理解したうえで、自分に合ったトレーニングを取り入れることが大切です。

本記事では、あがり症の方が緊張すると滑舌が悪くなりやすい理由と、滑舌を良くするための具体的な方法をわかりやすく紹介します。
滑舌に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。

  • 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
  • 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
  • 全国で年間2,000回セミナーを開催
  • 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
  • 在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版

1. あがり症の方の滑舌が悪くなりやすい理由

あがり症の方が人前で話すときに滑舌が悪くなりやすいのは、緊張による身体のこわばりに加え、場合によっては吃音など別の要因が影響している可能性もあります。

滑舌を改善する方法は原因によって変わるため、まずは「なぜ話しにくくなるのか」を理解することが大切です。

ここでは代表的な理由を3つ紹介するので、ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

1-1. 緊張で舌やあごがこわばっている

緊張すると舌やあごの筋肉が固くなり、思うように動かなくなります。
話すときは舌の細かい動きが欠かせないため、筋肉がこわばると発音が不安定になり、噛みやすくなったり、言葉がこもって聞こえたりします。

また、あごの筋肉が固まり、口が十分に開いていない状態でも、発音が不明瞭になり、滑舌が悪く感じられることがあります。

1-2. 早口で話している

緊張すると、普段より早口になってしまう方は少なくありません。
早口になると舌の動きが追いつかず、発音が乱れやすくなります。

もともと早口の癖がある方は、緊張時にさらにスピードが上がってしまい、
・言葉を噛む
・発音が不明瞭になる
など、滑舌が悪く感じられる原因につながります。

1-3. 吃音の傾向がある

吃音の症状を「滑舌が悪い」と誤って捉えてしまうケースもあります。
しかし、吃音は舌の回りにくさとは別の特徴を持つため、区別が必要です。

吃音の代表的な症状は次の3つです。

連発性:「お、お、おはよう」のように同じ音を繰り返す
伸発性:「おーーーはよう」のように最初の音を引き延ばす
難発性:「ーーーおはよう」のように最初の音が出にくい、または突然大きくなる

これらは滑舌の問題とは異なるため、吃音が疑われる場合は吃音に合った対処が必要です。
判断が難しいときは、心療内科や耳鼻咽喉科で相談するのも良いでしょう。
吃音については「あがり症と吃音の関係とは?落ち着いて話すための対処法」で解説しているのでぜひチェックしてみてください。

2. あがり症の方が滑舌をよくする方法

あがり症の方が滑舌を改善するために、日常生活に取り入れやすい方法を紹介します。
すべてを一度に行う必要はありません。できそうなものから無理なく始めてみてください。

2-1. 口のトレーニングをする

舌やあごの筋肉がこわばっていると、舌がスムーズに動かず、滑舌に影響が出やすくなります。
筋肉をほぐし、動かしやすくするトレーニングを取り入れることで、発音が安定しやすくなります。

【舌の筋肉のトレーニング】

1.口の中で舌の上下運動をする
2.口の中で舌を右上、左上、右下、左下の順番に「Z」の字を書くイメージで動かす
3.「なにぬねの」「らりるれろ」を連続して発音する

このトレーニングを行うことで、舌が動かしやすくなり、発話しやすくなるでしょう。
ご紹介したトレーニングの詳細は「スピーチがうまくなる!ハッキリ聞こえる「カンタン滑舌練習」」で解説しています。

また、言葉がこもったように聞こえる状態を改善するためには、口を大きく開くトレーニングも有効です。
口を大きく開けて話すと、それだけでハキハキと聞こえやすくなります。
大きく開くためには、母音である「あいうえお」を用いた発音練習をするとよいでしょう。

トレーニングの手順は以下の通りです。

【口を大きく開くトレーニング】

1.「あああ」「いいい」など3回ずつ母音を話す
2.「あえいうえおあお」を5回繰り返す

練習時は口をしっかり動かす意識を持つことが大切です。
詳細なトレーニング方法は「【噛むのを防ぐ】スムーズに話せるようになる2つの練習法」をご覧ください。

2-2. 自分に意識を向けない

緊張で体が固まりやすい方は、話すときに「自分」ではなく「相手」に意識を向けてみましょう。

あがり症の方は、
「変に思われないかな」
「噛んだらどうしよう」
など、自分の言動に意識を向けすぎることで緊張が強まり、結果として滑舌にも影響が出やすくなります。

意識を相手に向けるためのコツは、以下の通りです。

相手と呼吸を合わせる:相手の呼吸を見て話すペースを整える
相手のニーズを理解する:相手が何を話したいかに意識を向ける
伝えたいことを先に決める:「相手のために何を伝えるか」を明確にする

これらのポイントは、下記の動画でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
お客様と話すときに緊張で噛んでしまう…」噛まずに話せる3つのポイント

2-3. 話す内容にゆとりを持つ

早口になりやすい方は、あらかじめ「話す量」と「時間」に余裕を持つことで、落ち着いて話しやすくなります。

早口になる原因は、
・伝える内容が多すぎる
・時間に余裕がない
といった状況です。

特に、一文が長かったり、息継ぎのタイミングがなかったりすると、自然に話すスピードが上がってしまいます。

一文を短く区切るだけで、呼吸がしやすくなり、早口を防ぎやすくなります。
また、スピーチ原稿を「時間ぴったり」ではなく「少し短め」にしておくことも大切です。
当日、時間が押して焦ると一気に早口になり、滑舌も乱れやすくなります。

時間にゆとりのある原稿なら、多少の変更があっても落ち着いて話せるでしょう。
緊張で早口になる方は「緊張して早口になるときの「3つ」のチェックポイント!これで落ち着いて話せる!」もご覧ください。

2-4. 身振りなどの動きも活用する

言葉だけでなく、身振り手振りや表情を使って話すことで、自然と声に抑揚がつき、口の動きも大きくなります。
その結果、はっきりした発音になり、滑舌の改善にもつながります。

動作を加えるほか、人前で話すポイントについては「【あがり症で声が震える方でも大丈夫】人前で話すコツとポイント」でも解説しているので、チェックしてみてください。

3. まとめ

滑舌が悪いと感じるときは、まずその原因を見つけることが大切です。
体がこわばりやすいのか、早口になりやすいのか――理由によって取り組むべき改善方法は変わります。

また、中には滑舌の問題だと思っていたものが、実は吃音の症状だったというケースもあります。
自分の状態に合った方法を選びながら、今回ご紹介したトレーニングを継続していくことで、発音は着実に改善していくでしょう。

「緊張しても滑舌よく話せるようになりたい」「あがり症を克服して自信を持って話したい」と考えている方は、ぜひ以下の「あがり症を克服するセミナー」もチェックしてみてください。

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