社内でのプレゼンテーション(以下:プレゼン)や、新規契約の獲得をかけたプレゼンを任されると、「絶対に成功させたい」「失敗は避けたい」と緊張する方も多いのではないでしょうか。
プレゼンを成功に導くには、聞き手の特徴やゴールを明確にし、その目的に沿った話し方を意識することがポイントです。
本記事では、あがり症克服セミナーを主催するプロの視点から、プレゼンを成功させるための話し方の3つのポイントと、失敗しがちな話し方の特徴について具体的に解説します。
あがり症で悩んでいる方はもちろん、大切なプレゼンを控えている方も、ぜひ参考にしてください。
はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。
- 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
- 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
- 全国で年間2000回セミナーを開催
- 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
- 現在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版
Contents
1. まずはプレゼンを成功させる準備から
プレゼンは、話し方だけを意識すれば成功するというものではありません。
特にあがり症の方は、準備とイメージトレーニングがとても重要です。
今回ご紹介する2つの準備は、効果的な話し方にも直結する基本のステップです。
また、「あがり症でプレゼンの場に立つのが不安」という方は、別記事 「あがり症でプレゼンなどのプレッシャーに弱い方必見!プロ直伝の3つの対策」を参考にしてみてください。
1-1. プレゼンのゴールを決める
プレゼンを任されたら、まず最初に「どんな結果を得られたら成功なのか」というゴールを明確にしましょう。
多くのプレゼンは、聞き手に何らかのアクションを起こしてもらうことが目的です。
ゴールが曖昧なままだと、話の構成や伝えるべき内容がぶれてしまい、印象に残らないプレゼンになってしまいます。
例えば、資料請求があった企業へのプレゼンでは、「契約の獲得」がゴールになるでしょう。
社内で新しい企画を提案するプレゼンであれば、「上司や経営陣から承認を得ること」がゴールになります。
投資家やパートナー企業に対するプレゼンであれば、「興味を持ってもらい、次回の面談や提携交渉につなげること」がゴールになることもあります。
状況に応じてゴールはさまざまです。
特に「緊張して何を話せばいいのか分からなくなる…」という方ほど、事前にゴールを定めておくことで、話す内容が整理され、伝えたいことが明確になり、意識を集中して伝えることができます。
まずは“成功の定義”をはっきりさせて、そこから逆算する形で準備を進めましょう。
1-2. 誰にプレゼンするのかを想定する
もう一つの大切な準備が、「誰に向けて話すのか」を明確にすることです。
聞き手によって、伝えるべき内容や適切な話し方は大きく変わります。
プレゼンのターゲットをしっかり想定しておくことで、より効果的にアプローチできるようになります。
例えば、社内幹部に新規事業を提案する場合は、問題提起と具体的なデータを使った論理的な構成が好まれるでしょう。
お客様に商品を提案する営業プレゼンでは、商品のベネフィットや導入後のメリットをストーリー仕立てで伝えると響きやすくなります。
社外セミナーでのプレゼンなら、聞き手の関心を引く導入やエピソード、ユーモアを交えることがポイントになることもあります。
このように、相手によって、「何を」「どう伝えるか」が大きく変わるため、事前に相手像を具体的にイメージしておくことが大切です。
あがり症の方は、プレゼンの参加人数や会場の広さ、雰囲気まで具体的に想定しておくと、当日の不安をぐっと減らすことができます。
ぜひ、シミュレーションをしてみてください。
2. プレゼンを成功させる話し方の3つのポイント
「緊張してうまく話せない……」とお悩みの方は、これからご紹介する3つのポイントを意識することで、要点が伝わるプレゼンが可能になります。
あがり症の方も、話し方のポイントを押さえて準備すれば、自信を持って本番に臨むことができます。
また、プレゼンの緊張が強く「逃げ出したくなる」と感じている方は、ぜひ「緊張でプレゼンから逃げたい!原因と対策は?セミナーのプロが具体策を解説」 もご覧ください。
2-1. コミュニケーションを意識する
プレゼンは、単に情報を一方的に伝える場ではありません。
「プレゼンを伝える」ではなく「プレゼンが伝わる」ためには、コミュニケーションを意識した話し方が重要です。
聞き手の表情や反応を見ながら話のスピードや内容を調整したり、理解が浅そうな部分を補足説明したりと、相手に寄り添う姿勢がプレゼンの成功を左右します。
例えば、以下のような工夫です。
・聞き手の悩みを把握するために「こんなことでお困りではありませんか?」と質問を投げかける
・疑問の表情を見せた人がいたら「今の部分、わかりにくくありませんでしたか?」と確認する
・資料の内容に対する反応が薄い場合は「実際にこのようなケース、御社でもありませんか?」と質問を投げかける
・うなずいている人が多ければ、話を次のステップに進める
本番で質問することに不安がある場合は、あらかじめ質問を準備しておくと安心です。
2-2. 話のつながりを意識する
プレゼンでは、話の構成がわかりやすく、自然な流れになっているかどうかが非常に重要です。
論理的な展開を意識し、根拠や理由をしっかり伝えることで、聞き手の理解が深まります。
ただ結論を述べるだけでなく、「なぜそうなるのか」というプロセスを示すことが、信頼感のあるプレゼンにつながります。
例えば、プロジェクトの承認を得るための社内プレゼンでは、次のような構成が効果的です。
このようにあらかじめ話の流れを決めておけば、あがり症の方でも「型」に沿って話せるため、緊張で話す内容が飛んでしまうことを避けられます。
さらに論理的な話し方ができるようになりたい方は、「【論理的な話し方とは?】上手に話すために意識すべきこと6選!」をご覧ください。
2-3. 聞き手に飽きられない話し方を意識する
プレゼンを成功させるためには、「聞き手に飽きられない話し方」も重要です。
聞き手がプレゼンに飽きてしまうと、話をしっかり聞いてもらえず、目的が達成されないケースも考えられます。
そのため「続きが気になる状態」を継続し、最後まで聞いてもらうよう意識することが大切です。
例えば、小さなクイズや簡単な選択肢を提示して、聞き手に考えてもらう。「AとB、どちらが成果につながったと思いますか?」といった工夫です。
また、「そこで・・・」と間を空けたり、「ビックリしたことがあります!」と注目を集めてから話したり、「信じられないことが起こりました」と惹きつけた後に説明したりすると、続きが気になりプレゼンが退屈に感じにくくなります。
さらに、スライドに入れているテキストや画像を話にあわせて小出しにすると、続きが気になるプレゼンになるでしょう。
スライドの工夫はあがり症の方でも実践しやすい方法のため、ぜひ話し方と一緒に試してみてください。
3. プレゼンが失敗してしまう話し方の特徴
プレゼンを成功させるには、「うまく話すコツ」だけでなく、「やってはいけない話し方」を知っておくことも重要です。
ここでは、特に注意したい“失敗しやすい3つの話し方”をご紹介します。
● 資料の丸暗記や棒読み
プレゼン内容を一言一句覚えようとすると、臨機応変な対応ができず、聞き手の反応や空気感にあわせた柔軟な展開が難しくなります。
結果として、聞き手のニーズとずれた内容になりがちです。
とくに棒読みになってしまうと、「このプレゼン、聞かなくてもいいかも」と感じさせてしまう危険もあります。
● 自信のない話し方
声が小さかったり、言い淀みが多かったりすると、「この人に任せて大丈夫かな?」と不安を与えてしまいます。
契約獲得やプロジェクトの承認など、聞き手のアクションを促したい場面では、信頼感のある話し方が欠かせません。
● 伝えたいことがボヤけているプレゼン
話の要点が見えなければ、聞き手は「結局、何が言いたいの?」という印象を持ち、行動に結びつきません。
構成があいまいなプレゼンは、聞き手の時間を奪うだけで、目的達成につながりません。
とくにあがり症の方は、大勢の前や社長・重役が参加するような場面で強い緊張を感じやすく、「何を話すか飛んでしまった……」といった状況に陥りやすい傾向があります。
そんな不安を減らすためにも、準備の段階で以下のような対策を取り入れましょう。
・話の要点を紙に書き出し、丸で囲むなどしてビジュアルで整理すること
・聞き手の傾向(重視するポイントや性格)をリサーチして内容を調整すること
・練習で自分の声を録音して聞き直し、事前に改善点に気づくこと
より伝わりやすいプレゼンをするためのポイントを知りたい方は、「もう緊張しない!あがり症克服&人前で堂々と話すための4つのポイント」をご覧ください。
4. まとめ
話し方を意識したプレゼンは、聞き手に要点を明確に伝えることができ、契約獲得やプロジェクト承認などのアクションを起こしてもらいやすくなります。
今回ご紹介した成功する話し方のポイントは、あがり症の方でも実践しやすので、ぜひ大事なプレゼンの前に試してみてください。
あわせて、自信を持った話し方でプレゼンを成功させたい方は、あがり症克服セミナーもおすすめです。
プレゼンの話し方はもちろん、表現方法や伝わる内容まで具体的に学べるため、プレゼンの質を向上させたい方は、ぜひ下記よりセミナー案内をご覧ください。