緊張による声や手足の震えはなぜ起こる?緊張や震えを和らげる方法を解説

あがり症の方のなかには、人前で話すときに、
・緊張して声が震えてうまく伝わらない…
・手足の震えが止まらない…

などで困っている方もいると思います。

緊張で声や手足の震えが起こるメカニズムを知っているだけでも、いざというときに対処しやすくなります。

そこで、本記事ではあがり症の方が緊張して声や手足が震える理由と、震えを和らげる方法についてご紹介します。
緊張による震えに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

はじめまして。桐生 稔(きりゅうみのる)と申します。
私の肩書きや経歴は以下の通りです。

  • 株式会社モチベーション&コミュニケーション 代表取締役
  • 「伝わる話し方」ビジネススクールを運営
  • 全国で年間2,000回セミナーを開催
  • 新卒入社後営業成績ドベから心理学を学び全国売り上げ達成率No.1に
  • 在では「伝わる話し方の専門家」として活動し話し方の本を多数出版

1. 緊張で震える仕組み

人が緊張すると、体の中では次のような変化が起こります。

・人前で話す際に、「うまく話せないかもしれない…」「失敗したらどうしよう…」といった不安を感じると、体がそれを“危険”と判断して、交感神経が優位になる
・交感神経が優位になることで、心拍数が上がり、呼吸が浅く、速くなる
・脳の中にある扁桃体がリスクを回避しようとして、不安や恐れを強め、体全体に警告を送る

私たちの脳は、生存本能に基づいて「危険を避ける」ための働きをします。
結果、心拍数の上昇や呼吸の乱れ、不安や恐れが強まるといった反応が自然に起こります。

心拍数が上がり、呼吸が激しくなると、息のコントロールが難しくなります。
すると声を安定させにくくなり、声が震えやすい状態になります。

また、交感神経が優位になると、気持ちだけでなく筋肉も実際に緊張状態になります。
そのため、手や足に余分な力が入り、震えとして現れやすくなるのです。

このように、緊張によって声や手足が震えるのは、特別なことではなく、誰にでも起こり得る体の自然な反応だといえます。

なお、緊張が起こるメカニズムをさらに詳しく知りたい方は、「あがり症改善トレーニング:4つのタイプ別に解説」の動画もぜひご覧ください。

2. あがり症の方が事前にできる緊張を和らげる方法

人前で話すときの震えを抑えるためには、本番前から緊張を和らげる準備をしておくことが大切です。
ここでは、本番までに実践できる「緊張を和らげる方法」をご紹介します。

2-1. 日常に呼吸法を取り入れる

落ち着いて話すためには、「呼吸」がとても重要です。
日常生活の中で呼吸法を取り入れておくと、いざ人前で話す場面でも血流がよくなり、落ち着いて声を出しやすくなります。

日常生活に取り入れやすい呼吸法として、「8・4呼吸法」があります。
方法は次の通りです。

・8秒かけて口から息を吐く
・4秒かけて鼻から息を吸う

これを1分ほど繰り返す。

歩いているときなど、普段の動作に呼吸法を組み合わせて行うのがおすすめです。

また、歩くリズムに合わせてドッグブレスを行うのも効果的です。
ドッグブレスは、短く息を切るように行う呼吸法で、1分ほど続けるだけでも体が温まってきます。

あがり症の方は、緊張すると血流が悪くなりやすいといわれています。
そのため、呼吸法によって体を温め、血流を促すことが緊張緩和につながります。

呼吸法については「あがり症の緊張を和らげるには「呼吸」がポイント!シーン別に克服方法をご紹介」の記事でも解説しています。
また、具体的な方法については、「緊張しやすい人は血行を良くすべし!」の動画で紹介しているので、ぜひご覧ください。

2-2. 普段から二元論で考える

緊張によって震えが出るときは、「二元論思考」で捉えてみましょう。
二元論思考とは、主観と客観の両方の視点で物事を見る考え方です。

例えば、緊張して震えているとき、主観的には「声や手足が震えていて恥ずかしい…」「失敗しているように見える…」と感じてしまうかもしれません。
一方で、客観的に見れば「緊張しながらも、一生懸命話している!」という捉え方もできます。

このように、客観的な視点を意識することで、過度な不安が和らぎ、緊張を落ち着かせやすくなります。

また、話す資料が手元にある場合は、余白に、
「自分の緊張より、相手の反応を気にしてみよう」
「今できることに集中しよう」

といった、自分の緊張以外に意識を向ける言葉を書いておくのもおすすめです。

本番中にその言葉を目にすることで意識が切り替わり、落ち着いて話しやすくなります。

リラックスできる言葉は人それぞれ異なります。
いくつか言葉を考えて試しながら、自分に合うフレーズを見つけてみましょう。

言葉と感情は強く結びついているため、繰り返し意識することで、その感情を引き出しやすくなります。

二元論については「資料を持つ手が震えて恥ずかしい…これを解決するには??」の動画でも解説しているので、参考にしてみてください。

2-3. 練習を重ねる

話す練習を重ねることで経験が積み重なり、本番への「慣れ」が生まれます。
その結果、緊張を和らげやすくなります。

練習の際は、頭の中で考えたり黙読したりするだけでなく、実際に声に出して練習することが大切です。

頭の中だけで考えていると、実際に話すスピードや間とズレが生じやすいためです。
音読をすることで、自分の話すスピードを把握しやすくなります。
さらに、話すリズムや声の強弱を確認できる点も音読のメリットです。

加えて、目の前に聞き手がいることを想定した「実演練習」もおすすめです。
あえて相手が無反応だと想定して練習しておくと、本番で少しでも反応が返ってきたときに、「想定していた最悪の状況よりも、ずっと話しやすい」と感じて、話すモチベーションの向上にもつながります。

また、何度も音読を繰り返すよりも、実演練習を1回行う方が、効率よく練習できるというメリットもあります。

練習方法については、「人前で緊張しないための練習方法~音読よりも「〇〇」~」の動画でも分かりやすく解説しているので、ご覧ください。

3. あがり症の方でもその場でできる緊張による震えを和らげる方法

事前にしっかり準備をしていても、本番になると緊張して体や声が震えてしまうことはあります。
ここでは、本番当日・その場で実践できる緊張緩和の方法をご紹介します。

3-1. ストレッチをする

本番当日でも、その場でできるストレッチを取り入れることで、筋肉の緊張が和らぎ、震えの軽減につながる可能性があります。

特に、緊張すると首や肩まわりに力が入りやすくなります。
その状態が続くと呼吸が浅くなり、声も出にくくなってしまいます。

ストレッチで筋肉をほぐすことで体がやわらかくなり、肺が広がりやすくなるため、言葉も自然に出やすくなります。

緊張で首や肩が硬くなっていると感じたときは、次のストレッチを試してみてください。

【肩のストレッチ】
・肩を上に持ち上げる
・手をクロスし、上げている肩を上から軽く押さえる
・5秒キープしたら、力を抜く

【首のストレッチ】
・首を体の外側に突き出す
・押し出している側から、手で内側へ軽く押さえる
・5秒キープしたら、力を抜く

【背中のストレッチ】
・手を組み、首の後ろに当てる
・首を後ろに反らす
・5秒キープしたら、力を抜く

どのストレッチも3セット行いましょう。
一度力を入れてから抜くことで、筋肉がゆるみやすくなる効果が期待できます。

ストレッチの内容は「緊張してもうまく話せる!肩首の力を緩める3つのストレッチ」の動画で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。

3-2. 手足の緊張を緩める

手の震えが気になるときは、硬くなった手首をゆるめることが効果的です。
本番前にその場でできる、手首のストレッチをご紹介します。

【手首を緩めるストレッチ】
1、片手の指を上向きにし、手のひらを前に向ける
2、その手を前に伸ばす
3、反対の手で指を内側に倒し、10秒ほどキープする
4、指を下向きにし、1〜3を行う

1〜4を2セット行う。

手首を緩めるストレッチについては「【あがり症】人前で話しても手が震えないリラックス方法〜プレゼン、スピーチ、発表〜」の動画で動きを分かりやすく解説しているのでチェックしてみてください。

また、足が震えるときは、その場で動ける状況であれば、2〜3歩ほど軽く動きながら話すことで、震えが和らぐことがあります。

あまり動けない場合は、本番前に
・仙骨
・首のうしろ

といった副交感神経が集まりやすい部位を、軽く叩いたりマッサージしたりすると、体が楽になりやすいためおすすめです。

これらの部位は温めることでも効果が期待できます。
首にマフラーを巻く、仙骨付近にカイロを貼るなど、自分に合った方法を試してみてください。

足の震えを和らげる方法は、「緊張で声が震える、汗がでる、足が震える…を改善する!東洋医学の先生に聞いてみた「身体からのアプローチ」」の動画でも解説しているので、ご覧ください。

3-3. 息が出やすい話し方をする

声の震えを和らげるためには、息が正しく肺から上がってくる話し方を意識することが大切です。

そのためのポイントは、次の3つです。

・ゆっくり話す
・1文を短くする
・動きを取り入れる

緊張すると早口になりやすく、呼吸も浅く速くなりがちです。
ゆっくり話すことを意識すると、自然と息がしやすくなります。

また、1文を短くすることで息継ぎの回数が増え、呼吸のリズムを整えやすくなる点もメリットです。

さらに、話の流れに合わせて手を動かすなど、違和感のない範囲で動きを取り入れると、体の緊張が抜けやすくなり、リラックスにつながります。

話している最中に声が震えてきたときの対処法については、話しているときに声が震えてきたときの方法については、「【あがり症】話している最中に声が震えてきたらどうする?」の動画をチェックしてみてください。

4. まとめ

緊張すると体や声が震えるのは、交感神経が優位になって心拍数が上がり、筋肉が緊張状態になるためです。
そのため、呼吸法でリラックスし、練習を重ねて緊張しにくい状態を作ると震えにくくなります。

また、もし本番当日に緊張しても、話す前のストレッチや話すスピードなどを意識すると、緊張状態が和らぐでしょう。

「あがり症だけれど、緊張で手足や声が震えず話せるようになりたい」という方は、ぜひ「あがり症を克服するセミナー」も検討してみてください。
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